不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
――ガラッ
独特な匂いが鼻をかすめる。
きっと明日からもう……1人だから。
もう来ないと思う……
だから最後に来ておきたかった……
この第一図書室に……
あたしはまだこの高校だから、来ようと思えばこれるけど……
ここはあたしと司先輩のたくさんの思い出が詰まった教室だから。
だから司先輩がいないここに来ちゃったら……
ほら……
「っ……うぅっ―……」
涙が止まらなくなる。
本当は凄く寂しい。
「ふぅぇっ……っ……」
いくら会おうと思えば、会えるような人でも……ここに来ることがもう、ないと思うと寂しくて仕方ない。
「っ……うぅ……」
もっと居たかった。
もっと司先輩と……
この学校で……
この部屋で……
――一緒に居たかった。