不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
*第一図書室*
「ってか司先輩っ!カラオケいいんですか?」
キスの余韻に浸ったまま、抱きしめていた鈴加の身体が勢いよく離れた。
「……カラオケ?」
「卒業だから、お別れ会を開いたんでしょ?」
お別れ会って、なんか可愛い響きだな。
「別にいいよ。元々少ししかいない約束だったからさ」
「そ……うですか……」
何だ、その微妙な顔。
「帰ってこない方がよかったか?」
「えっ……ち、違いますっ!!」
ブンブンと横に手を振りながら否定する。
「それにしても、よく分かりましたね?ここに居るって」
「あぁ―それはなんとなく」
本当になんとなく。
鈴加ならここに来るような気がしていた。
でも、もし来なかったらどうしてたんだって感じだよな……