不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「彼氏となんかあった?」
「な、なんでそれをっ!?」
真っ赤になった目を丸くして、俺を見てくる。
「まぁ―……ちょっとな」
きっとこいつは、自分が噂を呼ぶくらい人気があるって気づいてないんだろうな……
「もう彼氏……じゃないです……」
ボソッとそう呟いた鈴加。
彼氏じゃないって、やっぱり別れたんだな……
さっきの泣きながら言っていた内容で、恐らくそうだろうと思っていたけど。
「そっか……」
「……聞かないんですか?」
「……何を?」
「別れた理由とか……」
涙目で俺を見上げる。
「ん―、鈴加が話して楽になるなら、話して」
人の心を詮索するのは嫌いだからな。
「じゃあ聞いてもらってもいいですか?」
小さく消えそうな声でそう呟いた。
「うん」
それで鈴加が少しでも楽になれるなら……