不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「でも孝太だけが、悪いんじゃないんです……」
「は?」
「あたし、凄くヤキモチ妬いちゃって……」
ヤキモチ……?
「でも好きだからヤキモチ妬くんだろ?」
そんなことを前、夏樹に長らく語られたことがあった。
「でもそれが孝太には重荷だったみたいで。孝太のことを分かってあげられなかったあたしが、悪いんです……」
正直……孝太っていう男がうらやましく感じた。
こんなに想われて……
どう考えても最低なことを言った彼氏の方なのに……
鈴加はそれが、自分のせいだと思っている。
こんなに大事に想われていた、孝太っていう男に……
初めて、嫉妬した。
嫉妬した理由なんてわからない。
ただ、分かるのは……
俺がこんな愛情を受けたことが無かった……ってことだけだ。
「まだ……好きなのか?」
そいつのこと……まだ想っているのか?
「……わかりません。」
静かな図書室にポツリと小さな声が響いた。