不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「もう暗いんだから、送っていくよ」
「……え、えぇぇぇ!!」
うるさっ……
ここが利用されない図書室だからいいものの、今の叫び声は絶対注意されてたはずだ。
「い、いいですっ!そんな送ってもらうなんて!」
手をブンブンと横に振って、断る鈴加。
そんなに全力で断んなくても……
「とにかく1人じゃ危ないから送っていく」
「で、でも……」
「これは先輩命令だからな」
「ゔっ……」
断れないと踏んだのか「よろしくお願いします……」と頭を下げる。
「じゃあ行くか」
それから2人で学校を出て、鈴加の家に向かった。
学校にはもうほとんど誰も居なくて、明かりが付いているのは、恐らくまだ部活で残っている生徒がいる、体育館だけだった。
鈴加の家は思っていた以上に近くて、すぐに着いてしまった。