不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


いい匂い……



ピンクのカップにアップルティーを注ぎ、水色のカップにコーヒーを注いだ。



「ブラックでよかったよね?」



コーヒーを智也に差し出しながらそう訪ねると「あぁ、サンキュ」と言ってカップを受け取った智也。




またさっきと同じようにテーブルを挟んで、智也と向かい合うように座った。



今だにお笑い番組を見て爆笑している智也。



こいつ、学校ではクール気取ってるくせに……




ふと、テーブルに置いていたあたしの携帯に目が向く。




……先輩は連絡を待っているだろうか?



って、そんなわけないよね。



あたしが電話しても迷惑だろうし……




「携帯がどうかしたのか?」



いつの間にか、テレビから目を離し、あたしを見ていた智也。



「な、なんでっ!?」



「だってお前、テーブルの携帯見つめたまま止まってたし」



えっ!?うそっ!?



あたし、そんなに考え込んでた?




「誰かから連絡待ってんのか?」



「いやっ!そうじゃなくて……」



どっちかというと、逆であたしが電話するか迷ってんだけど……




< 68 / 349 >

この作品をシェア

pagetop