不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「なんでお前が司先輩のことを聞くんだよ?」
「えっ!?な、なんでって!」
まさかの質問にたじたじなあたし。
どうやって誤魔化すか、考えた結果。
「と、特に理由はないけど……」
結局、微妙な答えになってしまった。
アップルティーのまだ温かさが伝わるカップを無駄に触りながら、冷静を装うのに必死。
「ふぅん。あっそ」
よしっ!誤魔化せたっ!
心の中で小さくガッツポーズをした。
「つーか大丈夫なのかよ……」
「何が……?」
「何がって……、孝太のことだよ」
「あっ……」
それと同時に思い出したセリフ。
――『お前さ……束縛激しすぎ』
――『ヤれればいいくらいに思ってたし』
「っ……」
ドクッと嫌なくらい脈だった胸。
そんなあたしの様子に気づいたのか……
「……悪ぃ。変なこと言って」
ハッとしたように智也が謝ってくる。