不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
その言葉の意味を調べるように、もう一度先輩を見ると、いつのまにか出来ているハーレム。
「な、なにあれ……?」
「何って、毎朝恒例でしょ?司先輩に女子のハーレムが出来るのは」
女子のハーレム……?
いまいち意味のわからないようなあたしに、「……もしかして、知らなかったの?」と驚きの顔をした蘭。
そして深くはぁ―…とため息を吐いて……
「いい?あれはもう、うちの学校の名物と言っていいくらい有名なことなの」
「め……名物……?」
「そう、あの顔にあのルックス。そして学力もずば抜けて1位の人なのよ。司先輩って」
「はあ―――っ!!?」
成績1位!?
昨日も普通に授業をサボってた、司先輩がっ!?
こんな漫画みたいなことがあっていいのか!?
「ちょっと!耳元で叫ばないでよっ!」
耳を押さえている蘭に「あっ、ごめん」と謝る。
「で、でもなんで周りの女子を尊敬するの?」
尊敬するなら、完璧な司先輩の方でしょ……?
「はぁ、本当にあんたは鈍いっていうのか……うといっていうのか……」
「なっ!!」
このセリフ、智也にも言われたっ!
「よ―く見ときなさいよ」
そう蘭の言った通りにジッと司先輩を見るあたし。
すると司先輩に何かを差し出している女子たち。
手紙だろうか……?
いや、手紙意外にも、なんかお菓子みたいなものが綺麗にラッピングされているものを、司先輩に差し出している。
……司先輩って今日、誕生日?