不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
頬を赤らめている生徒や、ピタッと司先輩に引っ付く生徒。
その積極的な行動に、凄い……としか言いようがなかった。
しかし、そんな女子たちに目もくれず、スーと校舎の中に入っていった先輩。
こちらも凄いとしか言いようがない。
まさに慣れている様子……
「あの今日、司先輩は誕生日か何か……?」
「バっカ!あれがいつもの光景。」
「えぇ――っ!!?」
「うるさいっ!」
「あっ……はい。」
思わず椅子から立ち上がったあたしを、睨み付ける蘭に怯えつつ、素直に座った。
「だから先輩は朝早くから登校してくるのは珍しいのよね」
だいたい意味がわかった……
つまり、モテる先輩は朝から女子に絡まれるのがイヤだと……
だから遅刻してくると……
そういうことだろう。
そんな凄い人とあたしは昨日、喋って家まで送ってもらったのか。
しかも、放課後もお誘い?を受けてるわけだし……
「どうした~?そんなに司先輩が気になる~?」
ニヤニヤ笑みを浮かべる蘭。
「はぁ!?ち、違うからっ!!」
「あたしはいいと思うよ。次に進んでも……」
次に……というのは、孝太のことだろう。