不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


「今……なんて……」



「あ?別に……」



「別にじゃないだろっ!……蘭にちょっかいだすなよ」



ふっ……



「さすがにダチの彼女に手を出すほど、女には困ってないからさ」



つ―か女とかいらねぇし。



「マジでだからな……」



「わかってるって」



「ならよしっ!」



一気にホッとしたような顔を浮かべる夏樹。



まぁ、何とか話しは反らしたか……




「ベタ惚れだな……」



「ま―な♪」




そんな嬉しそうな顔されても。



誉めたわけじゃねぇんだけど……



でもまぁ―、昨日まで『蘭ちゃん』だったのが『蘭』って呼び捨てになっているところで、こいつのベタ惚れがよく分かるよな。




「なぁ―……」



「ん?」



「好きって何だ……?」



「……」



「……なんだよ。その顔は」




驚いたように口を開き、俺を見てくる夏樹。



「お前の口からそんなことを聞かれる日が来るとは……」



「っ!別に深い意味なんてねぇよっ!!」




突然自分の言ったことが恥ずかしくなり、必死に否定していた。



< 85 / 349 >

この作品をシェア

pagetop