不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「やっぱりお前……」
「は?どうかした……「夏樹先輩~」
俺の言葉を綺麗に遮って、城田が夏輝を呼ぶ。
それと同時にパッアと明るくなった夏樹の顔。
やっぱりわかんねぇ―……
名前呼ばれただけなのに、そんなに喜べるとは。
俺だったら女に名前を呼ばれるだけで、嫌なんだけど……
無駄に甘ったる声を出して、寄ってくる。
俺の迷惑なんて考えないで、ただ自己満足のために。
「司……?」
そんな女に興味はない。
「司っ!!」
――ビクッ
名前を呼ばれていたことに、今気づいた俺の体は反射的に跳ねた。
「あっ、な、なんだ……?」
「なんだじゃねぇよ。ボーとしてさ」
「あっ、悪ぃ」
全く聞いてなかったし……
「まぁ、別に重要なことじゃなかったからいいけどさ」
そう言ってコップの水を一気に飲みほした。
「司先輩。何か考え事ですか?」
ランチを机に置き、向かい側の椅子を引いて座った智也。
いつの間に来てたんだ……?