True colors
「あの子ダンスパーティー岸田君と出たいんだろうね。あんな緊張しちゃって。」


海君がクスクス笑いながら言った。


「麻梨亜ちゃん、僕達もダンスパーティー行こうか?」


「そうだね行こうか。」


体育館へ向かおうとすると海君が何かを思い出したように突然足を止めた。


「ごめん麻梨亜ちゃん少しだけ待ってて!」


そう言って海君は駆け足で行ってしまった。


私は海君がどこかに忘れ物でもしてきたのかと思っていた。


海君の想いも考えも何も気付いていなかったのだ……。



「麻梨亜〜!!」


海君を待っていると、遠くから私を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえた。



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