True colors
受付で私と岸田君、美樹と大輝で申し込みをして中に入った。


「おっ、俺達の番号77だぞ!」


ちょうど77組目のペアだったらしく番号が77なのに嬉しそうな岸田君。


小さな子供みたいに喜んでいる岸田君を見ていたら自然と顔が綻んだ。


「麻梨亜はそうやって笑ってたらいいんだ。もう無理して崎本と川中をくっ付けようとするな。後はあの二人の問題だ。麻梨亜がどうこうすることじゃない。一人で辛い時は俺と居たらいい。」


真剣な顔で言う岸田君にドキドキした。


そんな私の顔を隠すかのように明かりが暗くなっていって音楽が流れ出した。

私の手をとり鼻歌を歌いながら適当に踊る岸田君。

私は岸田君にリードされながら合わせて踊った。


(なんかちょっと楽しいかも!)


嘘だらけで心が分からなかった岸田君。


でも今は本当に私のことを気遣ってくれているんだって事が伝わってくる。




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