True colors
｢ただいま〜。｣


私は疲れきって家に帰ってきた。


｢お帰りなさいませ。お嬢様文化祭どうでしたか？｣

出迎えてくれた渡辺さんの顔を見て海君のことを思い出した。


｢あっ、海君に謝りの電話しなきゃ！｣


｢何かあったんですか？｣


｢海君とダンスパーティーに出る約束してたのに、成り行きで別の人と出ちゃって……。｣


私は最近、優しく聞いてくれる渡辺さんを信用していろいろ相談しているのだ。

｢……もしかして例の転入生と出たんですか？｣


嬉しそうに言う渡辺さん。

｢……はい。実はそうなんです……。｣


｢そんな申し訳なさそうにしなくても大丈夫ですよ、海には私からも上手く言っておきますから。｣


｢すみません……。お願いします。｣


渡辺さんに頭を下げ私は部屋に行った。


さっそく海君に取ってもらったクマと岸田君に取ってもらったゴリラのぬいぐるみを飾ってみた。


可愛いくて部屋に置くだけでなんか嬉しい気持ちになるクマのぬいぐるみ。


だけど私は不細工だけどどこか憎めないゴリラのぬいぐるみの方が気になって仕方なかった。





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