True colors
「おはようございますお嬢様!」


朝起きて部屋を出るとハイテンションの渡辺さんがいた。


「さぁ〜お嬢様、デートの支度をしないと!」


まだ半分寝ぼけている私を鏡台の前に座らせた。


「さぁ〜始めますよ!」


私の頭にホットカーラーを巻き付け化粧をし始めた。

「お嬢様といると最近娘といるみたいですごく楽しいんです。ほら、海はおしゃれとかあまり興味がないから……。やっぱり女の子はいいですね。」


優しい微笑みを見せる渡辺さん。


(娘みたいって思ってくれてたんだ……。)


その言葉が私はすごく嬉しかった。


「私も最近渡辺さんといると本当のお母さんみたいで楽しいです。」


そう言うと渡辺さんの目がうっすらと潤んだ。





私は単純に娘ができたみたいで嬉しいのかと思っていた。


渡辺さんのその時の複雑な感情なんてまったく知らなかったのだ……。



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