True colors
「沙耶ちゃん、痛かったり気分悪くなったらすぐに教えてね。」


「うん分かった。」


僕の目に映ったのは薬をうちながらも健気に看護士さんに笑顔を見せる女の子。


(あの子が岸田沙耶……。)


顔色が悪くなんだか辛そうだ。


僕の視線に気づいたのか岸田沙耶と目があった。


次の瞬間……。


にっこりと微笑んで僕に手を振った。


(あんな辛そうなのに……。)


僕も微笑み返して手を振った。


これ以上彼女を詮索したくないと思った僕は病室を出た。


階段を下り病院の中庭に入った時、僕は見覚えのある人影を見つけ足を止めた。









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