True colors
大輝の言う通りだと思った。


「調子こいてんじゃねぇぞ。」


現に今朝のことだけで、廊下ですれ違いざまに知らない女の子にぼそっと言われた。


(調子こいてる?私が!?))


何故そんな事を言われるのかわけが分からない。


ただ、私は金本太一の娘であることは言ってはいけない。その意味だけはあらためて身に染みて分かった。


今日一日、クラスメートから誰だか知らない人にまで今朝のことを聞かれた。そのたびに美樹と大輝が私を呼んで助けてくれた。


「大丈夫。こんなの一時的な話題だよ。 みんなすぐに飽きて興味を示さなくなるって。」


大輝は馬鹿そうに見えて実はすごく頭がいい。さりげにこの前のテストもクラスで一番だったし……。


頼りになりすぎてたまに胸がドキドキする。


でもそんなの私だけじゃない。


しょっちゅう女の子から告白されている。


なのに決して浮かれたりしない大輝に、また女の子達は熱い視線を送るのだ…。



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