True colors
なんでか考えていると、それに気付いたらしく彼がクスッと笑った。


「渡辺っていう名字に聞き覚えない?」


(えっ?渡辺??小学校の時にクラスにいた食いしん坊の太っちょの渡辺君……なわけないし…………。渡辺海君……ん?海……あっ!!)


「もしかして昨日会った家政婦さんの息子?」


「ピンポン!母のこともよろしくね。麻梨亜ちゃん。」


海君は見れば見るほど本当に美少年だ。そしてその顔はどことなく専務さんに似ていた。


「もしかして、海君って専務さんの……。」


「ん?専務?」


「ううん。なんでもない。」

(そうだよね。専務さんもあの人は妻じゃないって言ってたし。海君が専務さんの子なわけないか。でも専務さんがお金払ってるって………。)


「麻梨亜ちゃんどうかした?」


「ううん、なんでもない。」

(余計な詮索をするのは良くないよね……。)



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