True colors

｢お帰りなさいませお嬢様。｣


家に帰るとさっそく渡辺さんが挨拶しに来てくれた。

｢今日からよろしくお願いしますお嬢様。あの……ちょっとお話する時間なんて……。｣


｢いいですよ。なんでしょうか？｣


私は渡辺さんと客室へと向かった。


｢使用人の分際でこのような失礼お許し下さい。 話しというのは海のことなんですが…。｣


そこまで言って顔を俯けて黙ってしまった。


｢…海君が、どうかしたんですか？｣


｢……この前話しを聞いてしまって海が誰の子なのか大体分かってしまったと思うんですが……。｣


｢……専務さんの子なんですか……？｣


と聞くと渡辺さんは小さくコクンと頷いた。