True colors

休み時間、さっそく転入生の周りを女子が取り囲んでいた。


海君が転入してきた時も同じ光景だった。


一部の女子は今がチャンスとばかりに海君に話しかけている。


｢なんかすごいね〜……。｣

私はその光景を離れた場所から美樹と大輝と見つめていた。


｢だって学校中の噂だよ！王子様が二人もこのクラスにいるんだもん！他のクラスの女子はみんなうちのクラスを羨ましがってるよ。｣


｢はぁ？王子？？｣


美樹の言葉に大輝が呆れた声を出した。


｢私が言ってるんじゃないわよ！ もう女子の間であの二人は王子って呼ばれてるんだよ。｣


｢へぇ〜……。｣


唖然と見ていると今日来た転入生がガタッと大きな音をたてて立ち上がった。


｢お前ら、うるさい。｣


そう周りの女子達を睨む様に言い放ちスタスタと歩き出した。


こっちに向かって………。