True colors
「……今なんて?」


「僕好きなんだ。麻梨亜ちゃんのことが。」


そう言うとお母さんは眉間に皺を寄せ、手を震えるほど力強くぎゅっと握りしめ睨みつけるかの表情で僕を見た。


「私はあの屋敷であの子の父親に雇われて働いてるの!あの子だけは絶対だめよ!分かった?」


「全然分からないよ!使用人の息子はお嬢様に恋しちゃいけないの?なんで?お母さん何だかちょっとおかしいよ?どうしたの?」


「お母さんに向かってなんてこと言うの!」


そう言うとお母さんは部屋へ入って行った。


直後、お母さんの部屋からガシャンとすごい音が何回も聞こえてきた。


きっと物に当たり散らしているのだろう。


いつものことだ……。


また少したてば普通に戻るだろう……。




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