True colors

しかし落ちた先は地面ではなかった。


手をグッと引っ張られて落ちた先は岸田君の胸の上…。


私は何が起きたのか状況が飲み込めなかった。


｢いててっ、麻梨亜大丈夫か？｣


｢大丈夫……。｣


と言い顔をあげると岸田君の顔が至近距離にあり、今おかれている状況にはっと気付いた。


私が岸田君を押し倒した感じで彼の上に乗っかっているということに……。


｢ご…ごめんなさい！｣


私は恥ずかしくて真っ赤な顔で飛び起きた。


｢ﾌﾟｯ…。ハハハッ｣


そんな私を見て岸田君は大声で笑った。


そして落ちていたボールを拾い私に投げたた。


｢麻梨亜は俺のことどう思ってるの？｣


(またいきなり唐突な質問を……。)


｢……友達だと思ってます。｣


と言って私はボールを岸田君に投げた。


｢じゃぁ〜好きな人いるの？｣


とまた私にボールを投げた。


｢…いません。｣


私達はしばらくキャッチボールをしながら質問をぶつけ合った。