True colors
「やっぱり私大輝といるとすごく楽しい…。 大輝の笑顔を見ると胸がドキドキして張り裂けそうだよ。」

そう言うと美樹はそっと大輝の胸に手を置き顔を埋めた。


ブーブーと椅子では私の携帯のバイブが振動で凄い音をたてているが、二人の耳には入ってないみたいだ。

「やめろよ美樹……。」


辛そうな顔で言う大輝。

「…やめない!」


美樹は大輝の腰に手を回し力強く抱き締めた。


「麻梨亜ちゃん?」


海君が私の肩をぽんと叩く。


「どうしたの?なかなか戻らないから心配して……。」


海君も美樹と大輝に気づいたらしく言葉を詰まらせた。


「もう無理だよ!私気持ち抑えられないよ。」


涙声で言う美樹。


「麻梨亜ちゃん……。行こう。」


海君がそう言うが、一向に足が動かない。




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