True colors
「笑顔で二人の前へ行けるの?」


海君がじっと私を見つめて言った。


「大丈夫、ちゃんと笑顔で戻れるから。」


私は目頭にまだ少し溜まっている涙を手で拭い、海君に笑顔を見せた。


「麻梨亜ちゃんは本当に強いな。 これから辛い時はいつでも僕の所に来たらいいよ。僕が守ってあげるから。」


海君はそう言い私に手を伸ばした。


「ありがとう海君。」


私は海君の手に軽くタッチしてベンチを後にした。

「全部本気なのにな……。」

海君がボソッと何か呟いたけど私には聞こえなかった。


私と海君はロウソクを買って喫茶店へと戻った。


私は頬をパンと両手で叩き勢いよくドアを開けた。



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