由愛の太陽

お母さん達は裕稀の事を知らない。
知る訳ないよね
だって由愛の事なんか
どうでも良かったんだもん…

10月28日

この日は裕稀の誕生日プレゼントを一緒に見に行く予定だった。

その日は裕稀の命日になった。

11月1日、
普通ならいっぱい笑うこの日に
こんなに泣くなんて
誰が決めたのだろう…
「裕稀、誕生日おめでとう」
この言葉を口にする人は
1人も居なかった。

誕生日の主役が
その4日前に居なくなるなんて
誰が予想するだろう…

誕生日の日がこんなに
待ち遠しくないなんて、
初めてだった。
太陽は沈んだのかな…
あんな辛い事に耐えて
自分の太陽で周りを明るく照らしたその人は自分の光を失った…

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