死に神ゲーム
「ところでさぁ」
「何?」
隣の棚から適当に手近にあったもこもことしたぬいぐるみを手にとりながら口を開いた。
「スピーカーの奴、俺らの名前を全員言っただろう?」
「うん」
どれが誰かはわかんなかったけど・・・。
「あれ、全部で九人だったけど、実際あの場にいたのは八人だった」
「・・・あっ」
そういえばそうだ・・・。
「でも、スピーカーの女の子は全員が条件を満たしたことを確認しますって・・・」
「うん、言ってた。嘘は言ってないと思うし」
「じゃあ、残りの一人は何処か別の場所にいたってこと?」
「多分ねぇ・・・」
あ、ぬいぐるみがひらべったくなってる。
そんなずっと引っ張ってるから・・・。
「・・・そろそろ動いた方が良さそうだな」
「そうだね・・・」
ルール1
一つの場所に留まるのは一回につき10分間まで
このルールに基づいて私達は店を後にした。
香君はぬいぐるみが気に入ったのか持ったままだった。