死に神ゲーム
「あ、こんばんは・・・」
現れたのはショートカットがよく似合う、大人しめな高校生程度の少女だった。
少しおどおどとした感じにこちらを不安そうに見ていて、私はほっと肩の力が抜けるのを感じながらその子に近づいた。
「こんばんは。貴方、確かさっきの事務所にいたよね?」
「は、はい・・・私、中里莉世って言います・・・」
「私は滝本雫って言うの」
「俺は荒木香、よろしくな・・・って、この状況で言うのもなんかあれだな」
複雑そうな顔をした香君にはは、と私も同感しながら苦笑いをこぼした。
そこでふ、と彼女の手首を見ると、ショップやアトラクションの光りに照らされてオレンジ色をした可愛らしいリストバンドがあるのに気づいた。
「それ可愛いね!どこで買ったの?」
「えッ!?」
私が指差しながら言えば、彼女はばっとリストバンドで隠している手首を握りしめた。
え、ちょっとびっくりしたぞ。
「あ・・・これは、貰ったものだから・・・買った場所はわからなくて・・・ご、ごめんなさい・・・」