死に神ゲーム
前の席に座っていた静はパソコンを覗き込んでいた。
「え、国内なの?どうせならパリとかイタリアとか行こうよ一緒に!」
「行きませんわ。それから、別に旅行に行く訳ではありませんわよ」
「そうなの?じゃあなんで調べてるの?」
「内緒ですわ」
人差し指をたてながら笑えば、静はゴソゴソと制服のポケットをあさくりだした。
何でしょう?と思っていると、携帯を向けてきた。
「ムービー撮ってるから、今のもう一回!」
「携帯真っ二つに割りますわよ」
ガシ、と携帯を掴みながら言うと、落ち込みながら携帯を閉まった。
「じゃあ、週末一緒に出かけよう」
「何がじゃあ何ですの。行きませんわよ」
あしらいながら私は再びパソコンに視線を向けてキーボードを叩いていく。
なかなかいい場所が見つかりませんわね。
「いいじゃん!弓道の全国大会で優勝したお祝したいし」
「お気持ちだけ、頂きますわ」
いっその事廃墟や廃病院にしてみましょうか。
それもまた楽しそうですわね。