短編■ 幸薄な僕
キューさんは、空気が読めるんだ。
どんなに疲れていても、文句を言わない。
でも男子が『大丈夫?』と気を遣うのは、大袈裟にアピールをするビーさん。
『ビーさんは辛いのを我慢して偉いな』
と、クラスの男子はビーさんを気にかけるんだ。
でも僕は知っている。
ビーさんはただダルイだけで、キューさんにノートを頼んでいたりする。
保健室で寝ていただけでか弱いフリをして、モテモテ気分を味わうんだ。
それを悪く言わず、スポーツドリンクを買いに行ってあげるキューさんが、僕はいい子だと思っている。