短編■ 幸薄な僕
眼鏡の魔法。
まさか古典的なことにやられるなんて、僕は愚か者だ。
別人のようなキューさんは、恐ろしく流暢にお喋りを始めたんだ。
『女子がぶりっ子してるって分かって男子はちやほやするし、
女子は騙される男子はアホだなって思って、あえてぶりっ子してるんだよ。
お互い成り立ってるんだよ、需要と供給は合ってるんだよ。
それに媚びる女子は好かれようと努力をしているんだから、立派だと思うよ?違うかな?』
優しくお説教されたのは初めてで。
僕はキューさんをまじまじと見つめた。
可愛くないというか、冴えない人だと思っていたけれど―――
別人。
もしかして―――