短編■ 幸薄な僕

眼鏡の魔法。

まさか古典的なことにやられるなんて、僕は愚か者だ。


別人のようなキューさんは、恐ろしく流暢にお喋りを始めたんだ。


『女子がぶりっ子してるって分かって男子はちやほやするし、

女子は騙される男子はアホだなって思って、あえてぶりっ子してるんだよ。

お互い成り立ってるんだよ、需要と供給は合ってるんだよ。

それに媚びる女子は好かれようと努力をしているんだから、立派だと思うよ?違うかな?』


優しくお説教されたのは初めてで。


僕はキューさんをまじまじと見つめた。


可愛くないというか、冴えない人だと思っていたけれど―――


別人。


もしかして―――


< 20 / 24 >

この作品をシェア

pagetop