純情&可憐、♂と♀組。
-ジュンジョウカレン、オトメグミ。-
桜、舞い散るgraduation
去年の三月二十一日-
「遊びに行こうぜ、『かれん』。今日一日は、できる限り、とことん遊び尽くすんだ。」
「そうね、『潤』。今日が正真正銘、最後の日だからね。思い残す事のない様にしようね。」
「さあ、行こう!」
小学校を卒業し、今年四月より、二人は中学生になる。それぞれ、少年の名は木口潤、少女の名は宮崎かれんと言った。
二人は幼なじみで、大の仲良し、親友だった。
何時、どこへ行くのも、何をするのも一緒。たまには喧嘩もしたが、気付けば仲直り。その後は、何時も手をつないでいた。
そんな親友の関係に変化が起こり始めたのは、さらにさかのぼる六年生の、もう卒業間近の二月十四日の事。
「雨、止まねえな。こんな事なら、早く帰れば良かったぜ。かれんとおしゃべりに夢中になってたからな。」
「潤、傘持ってないの。」
「ああ、持ってくるの忘れた。」
「じゃあ、私持ってるから、一緒に入って行けば?」
そう言って、かれんがランドセルから取り出したのは、古ぼけた、赤い折りたたみ傘だった。
「遊びに行こうぜ、『かれん』。今日一日は、できる限り、とことん遊び尽くすんだ。」
「そうね、『潤』。今日が正真正銘、最後の日だからね。思い残す事のない様にしようね。」
「さあ、行こう!」
小学校を卒業し、今年四月より、二人は中学生になる。それぞれ、少年の名は木口潤、少女の名は宮崎かれんと言った。
二人は幼なじみで、大の仲良し、親友だった。
何時、どこへ行くのも、何をするのも一緒。たまには喧嘩もしたが、気付けば仲直り。その後は、何時も手をつないでいた。
そんな親友の関係に変化が起こり始めたのは、さらにさかのぼる六年生の、もう卒業間近の二月十四日の事。
「雨、止まねえな。こんな事なら、早く帰れば良かったぜ。かれんとおしゃべりに夢中になってたからな。」
「潤、傘持ってないの。」
「ああ、持ってくるの忘れた。」
「じゃあ、私持ってるから、一緒に入って行けば?」
そう言って、かれんがランドセルから取り出したのは、古ぼけた、赤い折りたたみ傘だった。