純情&可憐、♂と♀組。 -ジュンジョウカレン、オトメグミ。-
「丁度、お風呂がわいてるから、入っておいで。風邪引くよ。」


湯船の中で一人考える、潤。

-俺、本気で太ってるなんて、思ってないし、実際太っても無いじゃねえか。何であんなに怒って…-

不意に、浴室の外から、母親の声がした。

「潤、ここに着替えとバスタオル、置いておくよ。」
「ん?ああ、ありがと。」
「それと潤…こんど会ったら、きちんと謝っておくんだよ、かれんちゃんに。」
「何で?向こうだって、俺の事突き飛ばしてびしょ濡れにしたんだ。おあいこじゃないか。
毎度のことさ。あいつとは、仲が良いんだ。明日になれば、いつものかれんで…」
「…本気で、そう思ってるのかい?だとしたら、一歩ばかり、潤よりかれんちゃんは大人に近づいちゃってるんだね。
いいかい、潤。お前は『友達』としてじゃなく、『女の子』として、かれんちゃんを傷つけたんだよ。
…そうでなきゃ、かれんちゃんが泣いたりしないよ。
小さい時からかれんちゃんを見てきているから解るよ、母さんには。


…年頃なんだよ。」
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