青空のむこうに~バスケに恋して~
「…我慢しなくたっていいんだよ?無理そうなら保健室にいこ…?」
「…大丈夫」
心配そうなマホに私はあえて首を横に振った。
逃げ出しちゃいけない…
そんな気がしてならなかった。
「ゆず…。だって…」
ボールを持つだけでも手が震えてる。
それを知ってるからマホは余計に気にしてくれてるんだ…。
あの日の事がよみがえってきて、腕に力も入らない。
「葉村さんー、出番だよー」
コートに先に入っていたカズミがクスクスと笑いながら私を呼んだ。
あのミニゲームの時とは違って、カズミは相手チームだった。
サエはコート脇にいて、私がどんな失態をしでかすか楽しんでいるようだった。
「…」
私はマホにボールを渡すと、コートに出る。
バスケで負けたくないって本気で思ったのは、これが初めてかもしれない。