青空のむこうに~バスケに恋して~
「ゆずちゃん!」
名前が呼ばれた瞬間、スイッチが入った気がした。
石像のように全く動かなかった私に油断していたカズミは男子の方を見ていたから、気づいてなかった。
ボールに群がっていた人達が一斉に私の方へくる。
パスを受け取った私は、当時何千回と練習したスリーポイントシュートを放った。
バスケから離れていても、体が感覚を覚えてる…。
1年ぶりに放ったシュートは綺麗な弧を描いてネットを通過した。
その瞬間、やっぱり私は気づいてしまった。
嫌いだって思ってても、心のどこかでバスケットを好きだって主張する自分がいる事に…。