青空のむこうに~バスケに恋して~
「ありがと。後でお金…」
「いいよ。付き合ってもらったお礼」
そう言いながらマホは私の隣りに腰を下ろした。
コートで桐沢君は一人、シュート練習を始めている。
今までボールを私が独占していたから、申し訳ないなって思ったけど…。
「…ありがとう、マホ…」
「ううん。…でも、本当は…誘った事後悔してたんだ…」
俯きながらマホがポツリと言ったので私はカンをベンチに置いた。
「何で?」
「…ゆず、体育の時震えてたから…。部活をやめて、バスケをやる場所がなくなっただけだと思ってたから、場所ができたら戻るんじゃないかって…」
「…そっか。本当、いろいろ心配かけてごめんね」
私が言うと、マホは黙って首を横に振る。