青空のむこうに~バスケに恋して~


虎鉄がいなくなった体育館で私はバスケットゴールをじっと見つめていた。

できる事ならまたこの場所に戻りたいとも思う。


だけど、やっぱり怖い…。


「…モルならどう答えるかな…?」


持っていたケータイを開いて、私はモルにメールを打った。



『男子バスケ部マネージャーにならないかと誘われました。嬉しい事だけど、私はまだ自分の中にある傷がうずいて、答える事ができそうにないです。どうしたらいいと思いますか?』



モルの答えはおそらく、マネージャーになる事を勧めてくるんだろう…。



時間をおかずにモルからメールが返ってきた。



『傷がどの程度の物なのか俺にはわからない。ただ、無理しないで自分の気持ちに正直になればいいんじゃないかな?よかったら傷の事を聞かせて欲しい』



意外なもので、マネージャーになる勧めはしてこなかった。

少し驚いたけど、私はモルに返信する事にした。




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