青空のむこうに~バスケに恋して~
act.13 意外な再会
ボールがゴールを支えてる支柱に当たり、私の足元へと転がってきた。
「すみません」
「いえ…」
私に気づいた男子高生が慌てたようにボールを拾いに私の元へとやってきた。
茶色のやわらかそうな髪が風で揺れてる。
「…あ」
足元のボールを拾い上げた私は、彼を見てふと思い出した。
彼、去年の決勝戦で虎鉄と仲良さそうに試合前に話していた男子高生だ。
星羽のバスケ部で当時1年生ながら、レギュラーでスタメン。
その空間はどれだけ居心地がいいものなんだろうか…?
「ボール、ありがとう」
「あ、はい…」
声をかけられてハッと我に返る。
私は彼にボールを差し出した。
「ここ使いに来た?」
「あ、いえ…」
空いてなければ別にそれでよかった。
私は時間つぶしに来ただけのようなものだし…。