青空のむこうに~バスケに恋して~
「休憩するからどうぞ」
「え?でも…っ!」
私が来たからゆずってくれたのかな…?
彼はボールを私に向かって投げてきた。
「女の子には優しくしないと虎鉄に怒られるし」
「…あ、やっぱり虎鉄の…?」
虎鉄の知り合いだ…。
じゃあ、私がここによく来てるって話も聞いてるのかもしれない。
「それと、去年の夏に本屋で会ったよね?」
「…へっ?」
去年の夏に本屋で会った…?
『…もしかして、君もバスケやってるの?』
『…いえ、やってないです』
『そっか。じゃあバスケが好きなんだね?』
頭の中であの時交わした会話が再生された。