青空のむこうに~バスケに恋して~
彼は不敵な笑みを浮かべるとコート脇のベンチに腰をおろした。
ボールも貸してくれたし、せっかくだから使わせてもらおうかなぁ…。
スッと腕を上げてシュートを放つ。
いつものようにボールはゴールに吸い込まれていった。
「うまいね。それでバスケ部やめちゃったのはもったいないな」
「…虎鉄から聞いたんだ?」
「あ?あ、ああ…。で?男子部のマネージャーやるの迷ってるって?」
そこまで虎鉄、この人に話をしてるんだ…?
まあ、他校の人だから別にいいけど。
「そんな事まで…」
「で?何か迷ってんの?おたくの高校の男子バスケ部のマネージャーってすごい事だと思うんだけどな」
彼はそう言って笑った。
虎鉄はこの人にどこまで話してるんだろう…?
どう話そうか正直、迷ってしまった。
『死ねばよかったのに』
急にサエに言われた言葉が頭をよぎった。