青空のむこうに~バスケに恋して~
スキとか…。
そんな、恋愛感情なんて一度もモルに対して考えた事ないんですけど…っ!
「でも、これって運命の出会いだと思わない?メールから始まる恋っていうのもなかなかいいと思うよ♪」
「マホ、自重しろよ…」
ウキウキしながら言うマホにあきれたように笑う虎鉄。
私はケータイを閉じてカバンに入れる。
「…でも、どんな声してるのかなとか、どんな人なのかなっていうのは興味ある…」
「今度電話番号聞いてみたら?どこに住んでるとかさ…」
マホの提案に心が少し揺れる。
確かに、どこに住んでるのか、どんな人なのかっていうのは知りたい。
だけど全てを知った時、夢から覚めてしまうんじゃないかっていう不安はある。
モルとのメールだけは、闇の中にいる私に唯一光を照らしてくれた存在だから、失うのは怖い。