青空のむこうに~バスケに恋して~
虎鉄はフッと笑った。
「トージの気に入ったオンナなら喜んで紹介するけど。つか、お前の頼みなんか聞きたくねーし。何その上から目線の態度。お前何様?」
さっきまでやわらかそうに笑ってたのに、虎鉄は冷たい顔してる。
この人は本当につかめない人だ。
温厚そうに見えるけど、冷酷な一面も持ってる。
もちろん、それは上手く使い分けてるし何の害もないわけだけど…。
多分、自分が敵だと思った相手は、とことん敵意むき出しにするタイプ。
「何いきなりキレてんだよ」
「トージに連絡取りたきゃ自分で何とかしろよ。くだらねーことでオレを利用すんな」
虎鉄にハッキリ言われて、マサシはムッとした顔をする。
サエの前でかっこつけたつもりが、逆にかっこ悪くなってしまった。
勝ち誇ったように、フフンと笑って私を見ていたサエの表情もパッと変わる。
「マサシ、行こっ!」
「ああ、気分わりぃ」
慌てたようにサエはマサシを引っ張って教室を出て行った。
この二人、昼休みまで教室に戻ってくる事はなかった。