青空のむこうに~バスケに恋して~


放課後になり、私はマホと一緒に男子バスケ部の部室へと向かった。

今度の週末が大会らしく、3年生は最後の試合となる。


「こんにちはーっ!以前、お話してた新しいマネージャーさんを連れてきました!」


マホの声はよく通る。

部活中も試合中も、よく声をかけてたから、そうなったんだろうなぁ…。


彼女の声で、部室内にいたみんなが振り返った。


「あれ、もしかして元女子部のゆずちゃん?」

「あ、ホントだ!よく一緒に自主練したゆずちゃん!」


緊張気味に行った部室。

でも歓迎ムードに切り替わって、私の緊張はすぐ吹っ飛んだ。


当時は2年生だった今の3年生の先輩方が結構覚えててくれたらしい。

あの時、残って自主練してよかったって思った。


「助かるわ~。一人転校しちゃって困ってたところだから。私達ももうすぐ引退だし。私は3年のマネージャーのミサ。よろしくね、ゆずちゃん」

「あ、はい!葉村柚香です!よろしくお願いします!」


ミサ先輩も知ってる。


隣りのマホを見ると、安心したような表情になっていた。


「何だ?この騒ぎ…」


わいわいと部室が歓迎モードになってる中、不思議そうに入ってきたのはマサシ。

< 163 / 287 >

この作品をシェア

pagetop