青空のむこうに~バスケに恋して~


部室内をキョロキョロ見回した後、マサシの視点が私で止まる。


「葉村、お前部外者のくせに何してんだよ」

「ゆずちゃんは今日からマネージャーとしてこの部に入部する事になったんだよ。ね?先輩方♪」

「そーうでーす」


マホの微笑みに3年生だけでなく、1,2年生も声をそろえて答えた。

あまりの声の大きさにマサシは不機嫌そうな顔になる。


ノリについていけねー…そんな顔。


元々、集団行動ができない(本人は嫌いって言ってたけど)マサシがこの空気になじんでるとは思えない。


でも部活をやめないのは自分のプライドのせいなのか…。


「はぁ?マネージャーとか冗談だろ?女子部だって途中でやめたし、お前、サエを蹴落とすような真似して何言ってんだよ。ふざけんなよ」


そばにあった椅子をガツンと蹴飛ばして怒鳴り散らすマサシ。


これじゃ、ただのチンピラじゃん…。


「蹴落とした?よく言うよ。自分はサエと組んで私の事階段から蹴落としたジャン」


あきれたように私が言うと、マサシの顔色が変わった。


部室内の空気もサーッとつめたい物に変わっていく。


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