青空のむこうに~バスケに恋して~
ああ、余計な事を言っちゃったカナって思ったけど、私は取り消さなかった。
「ど、どこにそんな証拠残ってんだよ」
明らかに動揺してるマサシの声。
都合の悪い事は大きな声でごまかそうとするのがこの人のくせ。
「とにかく、先輩。コイツ入部すんの俺は反対です」
「もう決定しちゃったもん。反対するなら次期キャプテンの虎鉄に言えよ」
現キャプテンと見られる先輩があきれたような顔をしながら冷ややかに言った。
もうすぐコイツから解放される…そんな表情にも見える。
虎鉄の名前を聞き、マサシはチッと舌打ちをして出て行った。
「ゆずちゃん、あんなのは無視無視。じゃ、仕事を教えるのはマホに任せていいのかな?」
「もちろんです!」
ミサ先輩に言われて、マホは頷いた。
またさっきまでのような和やかなムードに戻り、準備を終えた人から体育館へと向かっていく。
私はホッとしたように息をつくと、マホに笑いかけた。