青空のむこうに~バスケに恋して~
「…勝手に言ってれば?どっちがいやらしい手を使ってるのかわかんない?」
言い返した私が気に入らないのか、紀子がドンと私を突き飛ばす。
少しよろけて自転車置き場の柱に体がぶつかった。
「…そんな乏しい発想しかできないってカワイソウ。自分達がそんな手使ってるからそういう事しか頭に浮かばないんだよね」
冷ややかにそう言うと、カズミが眉をつり上げた。
「そんな生意気な口きいていいと思ってんの?!男子部にもいられなくしてやるんだから」
「へぇー。男子部の人にカラダ売って私を追い出すんだ?すごいね」
カズミにそんな度胸がないってわかってる。
あったらサエなんかと一緒にいないし、マサシにだって媚売らない。
私がそれをわかってて言った事が気にさわったんだと思う。
手を振り上げて私をひっぱたこうと手を振り上げた。
「何してんの?」
ガシャンという自転車を停める音と同時に声が飛んできた。
男の声に驚いてカズミ達は慌てたように振り返る。
来たのは虎鉄だった。