青空のむこうに~バスケに恋して~
まずい状況を見られちゃったって顔のカズミ。
私は柱にぶつけた部分をさする。
じんじんと伝わってくる痛み。
「桐沢君!何でコイツをマネージャーなんかにしたわけ?!葉村さんは女子部をめちゃくちゃにしてやめたんだよ?」
「…オレにはそうは見えなかったけど。こいつめちゃくちゃにしたのあんたらだろうに」
ヒステリックな好子の声と冷ややかな虎鉄の声。
顔を真っ赤にしてる紀子。
紀子がこの状況で心配してる事って、トージ君にこの事が虎鉄から伝わるんじゃないかって事だと思う…。
「つか、ゆずっこがマネージャーになった事で何か困る事でもあんの?」
「それは…っ!」
ただの僻み。
気に入らない私が、強豪男子バスケ部のマネージャーに入ったから気に入らないだけ。
「もう行こうよ…」
少しでも印象をよくしようと紀子はカズミと好子を止める。
二人は言葉をなくして、逃げるように去っていった。
「…大丈夫か?」
「…ごめん。助けてもらっちゃって…」
「いや、気にすんな」
虎鉄は何で、こんなに一生懸命に私を守ってくれるんだろう…?