青空のむこうに~バスケに恋して~


ってか、こんなに守ってもらうのはマホに悪い。

何も言わないけど、よくは思ってないはず…。


私の彼氏がそうだったら事情は事情だけど、やっぱり嫉妬心出てくると思うし。


「…あー、オレだけどさ。悪いけどあの件実行するよ。だから頼まれてくんね?」

「…?」


虎鉄はケータイで誰かに急に電話を始めた。


いつになく冷酷な表情で口調も荒い。

誰に電話してるんだろ…?


「あー、ゆずっこ。先輩には言っておくから、お前部活は今週末の試合だけでいいよ」

「…へ?」

「だから、今週はあのコートでフリースローの練習やっててくれないか?」


…は?


電話を切った虎鉄にいきなり言われて状況が飲み込めるわけがない。

私はパニックするだけ。


頭の中を整理しようとしてもまとまらない。


「先輩引退したら、多分マサシはやりたい放題やるはず。監督来てる時はおとなしいけど、いない時は散々勝手な事やってっからいい加減、報告しようと思ってな」

「ああ…」


さからえない人がいる時だけ猫をかぶってる。


マサシらしいや。


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