青空のむこうに~バスケに恋して~
放課後になっても、モルからの返事はなかった。
「おい、葉村。ちょっと顔貸せよ」
虎鉄に言われた通り、部活に出ないで帰ろうかと支度をしているところにマサシが来た。
デカい態度は相変わらず。
珍しくサエの姿はマサシの隣りにない。
カズミの姿もないから、おそらくさっさと部活に行ったんだろう。
「…何だよ、マサシ。言いたい事あるならオレを通せよ」
「うるせーな。桐沢は黙ってろ」
「何だ。オレには言えないのか。言い負かされるのが怖いから?」
フッと笑いながら言う虎鉄。
マサシがピクッと反応する。
…変なところで負けず嫌いな性格が出るマサシ。
「お前、本気で俺にそんな事言ってんの?」
「怖くないのなら言えよ。…あ、そうだ。ついでだから部員の前でお前に言いたい事あるんだ。悪い、ゆずっこ。お前も付き合ってくれ」
「あ、うん…」
少々不安そうな顔でマホを見ると、彼女は笑顔で頷いた。
その表情でマホはすでに事情を虎鉄から聞いてるんだなってわかった。