青空のむこうに~バスケに恋して~
「来週の月曜日、二人にフリースロー5本勝負してもらう」
「はぁ?そんなんでいいの?コイツ、もうバスケやってないんだぜ?」
バカにしたように笑いながら私を指差すマサシ。
その姿を見て私はムカッときた。
「だから、お前に有利だって言っただろ?まあ、『並の人間』なら月曜まで一生懸命に練習したところで経験者にはかなわないだろうな」
「いいのか?それで?」
「ああ。負けたほうは一切文句言わずに去ってもらう。それでマサシは納得するだろ?」
「もちろん」
勝ち誇った…って言うより、すでに勝負はついたみたいな顔をしてるマサシ。
…フリースローの練習をしろって言ったのってこの事だったんだ…?
でも、並の人間なら練習しても経験者にかなわないって言ってた…。
じゃあ、私が練習したところで経験者のマサシにかなわないんじゃ…?
「って事で、反対意見あるか?」
虎鉄の意見に誰も反対する人はいなかった。
「じゃ、そういう事だから。ゆずっこ、練習頑張れよ」
「ま、せいぜい無駄なあがきをするんだな」
マサシの態度に腹の中が煮えくり返ってしょうがない。
私は部員に挨拶をすると、部室を後にした。