青空のむこうに~バスケに恋して~


その相手がトージ君だっていうの…?


「え、だって、部活は…?」

「今日は休み。っつーか、今週は簡単な練習で本格的なものはないから、明日も明後日もここ来れる」

「そう…なんだ…?」


多分、大会前でケガをされると困るからなんだと思う。


…って、明日も明後日もここ来れるって…?


「だから、オレがゆずのフリースローの特訓に付き合うから」

「…え、でも…」

「まあ、オレが特訓しなくてもマサシなんかに負けるわけないと思うけど」


マサシなんかに私が負けるわけない…?


そんな事ない。

だって、いくら不真面目で適当でもやっぱり中学の時に選抜に選ばれてたんだし…。


「でも、マサシは中学の時に選抜のメンバーだった…」

「選抜のメンバー?あいつがそう言ったの?」


私の話を聞いて、トージ君は可笑しそうに笑った。


「…なんか可笑しい事言った…?」

「あいつ、選抜のメンバーって補欠の補欠だぜ?補欠で選ばれてたヤツがケガで辞退したから、そいつと同じ中学のマサシが急きょ選ばれただけ。実力じゃなくて運」


…そーなの?!


「その証拠に1回も試合出てねーから」


そう言ってトージ君はフリースローを打った。


綺麗な弧を描いてボールはネットにすいこまれていく。


< 178 / 287 >

この作品をシェア

pagetop